Scutum環境について~マルチキャリアとマルチテナント~
こんにちは。Scutumサポートデスクです。
突然ですが、提供しているScutum環境の仕組みについてご存じでしょうか?
ざっくりお伝えすると、基本的なScutum環境は「マルチキャリアで冗長化」した環境を「マルチテナントで利用する」サービスです。
今回は、Scutumの「マルチキャリア」と「マルチテナント」の仕組みに的を絞ってお伝えしたいと思います。
- お客様サイトのピーク時トラフィックなどにより、上記構成に当てはまらないケースもあります。
マルチキャリアとは?
マルチキャリアとは、一般的に複数の通信事業者の通信サービスに対応しているという意味合いですが、Scutumでいうマルチキャリアとは複数のインフラ事業者の基盤を組み合わせていることを指します。
細かくお伝えすると、Scutum環境はサーバ2台の二系統Active-Activeの冗長化構成で環境を構築していますが、このサーバ2台をそれぞれ異なるインフラ事業者の基盤を利用すること=マルチキャリアとしています。
- Active-Activeの冗長化構成とは、同じ機能を持つシステムを複数用意し、同時に稼働させることでどちらも通信可能な状態にする方式です。

上記の通り、Scutum環境は二系統で冗長化しているため、設定完了時にはDNSに設定する情報としてCNAMEとそのCNAMEに紐づくIPアドレス2つを提供します。

- 提供するCNAMEは、弊社管理のDNSで2つのIPアドレスをAレコードで設定しています。
どちらのScutumサーバも通信できるようにするため、DNSはScutumのCNAME(CNAMEレコードで設定できない場合は、Aレコードで2つのIPアドレス)を設定してください。
なお、補足となりますが、Scutumは冗長化している二系統に対してランダムにアクセスを振り分ける仕様です。接続元のIPアドレスをベースにScutumサーバを振り分けるなどのロードバランシングには対応していません。
なぜマルチキャリアなのか?
Scutumがマルチキャリア環境である理由は、耐障害性・可用性を高くすることでお客様のサービス提供を止めないように努めるためです。
マルチキャリア環境ではない場合、インフラ事業者のネットワーク環境などで大規模障害が発生した際に両系統で影響を受ける可能性がありますが、マルチキャリア環境にすることで、単一のインフラ事業者の障害に依存せずにサービスを提供することができます。
例えば、どちらかのインフラ事業者の基盤で不具合が発生した際も、もう一方のインフラ事業者基盤を利用してサービス提供ができます。また、両方のインフラ事業者基盤で不具合が同時に発生する可能性は非常に低いため、耐障害性・可用性が高い環境といえます。
国内のデータセンターを利用しています
複数のインフラ事業者基盤を利用していますが、Scutumは日本国内向けのサービスのため、利用しているデータセンターはすべて国内に存在します。
- 具体的な所在地等は非公開情報です。また、地域の指定をすることはできません。
マルチテナントとは?
Scutum環境は、「1FQDNごとに構築」していますが、専用インフラではなく「同一のインフラを複数のお客様で共用」するマルチテナントのサービスです。
マルチテナントとは、同一システムなどを複数のユーザーで共有するモデルのことですが、以前の記事でもお伝えしたようにショッピングモールのような商業施設の1フロアをイメージをするとわかりやすいかもしれません。
詳しくは記事内トピック「環境のサイジングとマルチテナント」で説明しているので、ぜひ読んでみてください。

インフラ配分はおまかせください
お客様のヒアリングシートの情報(SSL利用有無やピーク時トラフィック等)から、弊社で適切なインフラ配分を行い、ピーク時トラフィックに対応できるScutum環境を設定します。
同じ契約であっても、同一インフラ・別インフラで環境を設定するケースのどちらもあります。
設定変更時は新しいScutum環境に移行が必要なケースがあります
Scutum環境は、ヒアリングシートの情報に適したインフラ内で設定しているため、SSL利用有無やピーク時トラフィックなどを変更する場合、変更内容に適した別インフラで新しいScutum環境の設定が必要なケースもあります。
別インフラでの設定となった場合、Scutum環境の設定情報(CNAME等)が変わるため、お客様側でDNS変更などの新環境への移行対応が必要です。
同一インフラ内で設定変更できる場合は、ご利用中のScutum環境をそのまま利用できます。
マルチテナントでインフラ状況は日々変動するため、インフラ変更が必要かどうかは、設定完了時のご案内となります。
ご不明な点等がありましたら、お気軽にScutumサポートデスクまでお問い合わせください。